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Walk With God Ministries

05 2月

心の目を開いてください     坂 柚実子       2018年2月5日


心の目を開いてください

 

                   坂 柚実子

 

黙示録22:18、19「私は、この書の預言のことばを聞くすべてのものにあかしする。もし、これにつけ加える者があれば、神はこの書に書いてある災害をその人に加えられる。また、この預言の書のことばを少しでも取り除く者があれば、神は、この書に書いてあるいのちの木と聖なる都から、その人の受ける分を取り除かれる。」

 

マタイ5:18「まことに、あなたがたに告げます。天地が滅び失せない限り、律法の中の一点一画でも決してすたれることはありません。すべてが成就されます。」

 

私たちは聖書の言葉を変えることは神が禁じておられることだと教えられています。これに反して讃美の歌に関しては、「主にむかって新しい歌を歌え」と詩編の中に何度も書かれていますし、またイザヤ書や黙示録にも「新しい歌」という言葉が出てきます。

 

イザヤ42:10「主に向かって新しい歌を歌え、その栄誉を地の果てから。」

 黙示録5:9「彼ら(四つの生き物と二十四人の長老)は、新しい歌を歌って言った。」

 

聖書の御言葉は永遠に変わらないもの、一方歌はどんどんと新しい歌を歌ってよい、いや、歌わねばならない、ということに私は興味を持ちました。讃美は私たちの霊や魂から出るものです。慣れ親しんだものだけではなく、その時の私たちの心から出る讃美を主は喜ばれるのだと思います。その最たるものはスポンテニアス(即興的)な霊歌でしょう。又その時代に新しく作られる曲は、その時代に沿ったものとなるのも当然だと思います。

 

私は「心の目を開いてください」というテーマの歌が3つあるのに気がつきました。

 

1.まず 新聖歌38番で、クララ・スコット(Clara Scott により1895年に作詞作曲されたものです。

 

わが目を開きて さや(明)に見せたまえ

今まで知らざりし みふみの真を

我今しずかに 我が主を待つなり

主よ 与えたまえ 悟りを

 

 

Open my eyes that I may see

Glimpse of truth Thou hast for me

Place in my hands the wonderful key

That shall unclasp and set me free

Silently now I wait for Thee

Ready, my God, Thy will to see

Open my eyes, illumine me,

Spirit Divine!

(私のためにあなたが与えてくださる真理を垣間見ることができますように、私の目を開いてください。私を解放し自由にする素晴らしい鍵を私に与えてください。今私は静かにあなたを待ち望みます。私の神よ、あなたの御こころを切に求めます。聖なる御霊よ、私の目を開けて、悟りをお与えください。)

 

これは詩編119:18「私の目を開いてください。私が、あなたのみおしえのうちにある奇しいことに目を留めるようにしてください。」からテーマを取っているそうですが、主の御前に静まり、主の真理と御こころを知るために霊の目を開いてくださいと願っています。讃美歌や聖歌の古い訳は、私を含め古い年代にとっては非常に歌いやすく、優れていると思われるのですが、若い人には難解なのでしょう。また英語の歌詞を日本語に訳す時は、散文とは違い、曲の中に収めねばならないので、全部の内容を訳しきれないことが多く、元の歌詞と較べると確かに抜けている部分がありますが、すばらしい訳になっています。深い内容であり、さっと表面的に歌ってしまうのではもったいないものです。

 

2.次に1976年に ボブ・カル(Bob Cull)が作詞作曲したものです。

 

開いてください 心の目を

さらに深く 主を知るために

開いてください 心の耳を

さやかな御声を 聞き取るために

Open our eyes, Lord

We want to see Jesus,

To reach out and touch Him

And say that we love Him

Open our ears Lord

And help us to listen

Open our eyes, Lord

We want to see Jesus

(主よ、私たちの目を開いてください。イエス様を見たいのです。主に手を伸ばし、ふれて、「愛しています」と言いたいのです。主よ、私たちの耳を開いて、聞こえるようにしてください。主よ、私たちの目を開いてください。イエス様を見たいのです。)

 

ボブ・カルは、1960年代末から70年代はじめにかけてカリフォルニアで起こったジーザス・ムーブメントの中で救われ活動した作曲家です。ジーザス・ムーブメントは堅苦しいキリスト教という宗教を見捨てた若者たちが、シンプルにジーザスを求めたムーブメントでした。ベトナム戦争やウオーターゲイト事件が起こる中で、本当に信頼できるものを彼らは求めたのです。

ボブと妻のジョイは1976年にハワイに移住し、ジーザス・ムーブメントをハワイにもたらしました。ハワイの若者たちがボブのメッセージに心を開かなかったとき、彼は苦しみ、その苦しみの中から生まれたのが、「Open our eyes, Lord 開いてください、心の目を」だったのです。ボブは若者を自分の言葉で説き伏せるのではなく、彼らの心の目を主が開いてくださるようにと祈ったのです。難しい理屈ではなく、彼ら自身が 主を見て主の御声を聞くことこそ、真の救いの鍵であることを彼は悟ったのです。「心の目を開いてください。イエスを見て、ふれて、愛を告げたいのです。」というシンプルで熱い思いが歌われています。

 

3.次に2000年にポウル・ベロシュ(Paul Baloche)が 作詞作曲したもので、かなり乗りのよい曲になっています。

 

わが心の目を 主よ 開いてください

主イエスを見るために

高く上げられた 栄光に輝く

主イエス あなたに

愛をささげるため

Open the eyes of my heart, Lord

Open the eyes of my heart

I want to see you

I want to see you

To see you high and lifted up

Shining in the light of your glory

Lord, pour out your power and love

As we sing holy holy holy

(私の心の目を開いてください、主よ。私はあなたを見たいのです。私はあなたを見たいのです。高く上げられ栄光の光に輝くあなたを見たいのです。主よ、私たちは「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな」と歌います。今、あなたのちからと愛を注いでください。)

 

ポウル・ベロシュは、数々の賞を取っているシンガー、ワーシップリーダー、ソングライターです。教会のワーシップのためにセミナーを開いたり、指導書も出版していて、

教会のワーシップが霊的に高められために力を注いでいる人です。この歌は栄光に輝く王なる主の姿を人々に示し、聖なる畏敬と共に強い敬慕の念を表現しています。

彼はワーシップに関して「it‘s simply about intimacy with God.それは神との親密さに尽きます。」と言っています。

 

以上ですが、皆さんが一番親しまれたのは、どれでしょうか。

三つとも「心の目を開いてください」と真摯に主に願っていることに心打たれます。「私たちは見える」と主張しない者は幸いなのです。目を開けて頂くことによって何を見たいのかが、少しずつ変化しているのが非常に興味のあるところです。製作された年が1895年、1976年、2000年と離れていて、それぞれにその時代の教会の姿を映し出していると思います。伴奏も、恐らくオルガンからギター、そしてドラムの入ったバンドへと変遷してきたのではないでしょうか。

私の信仰生活はこの3曲が代表するいろいろな時代の讃美を知り、愛し、歌ってきました。それは私にとって大きな財産です。長く歌い継がれているものは、そこに主の息吹が吹き込まれているからに違いありません。ヘンリー・グルーバー師は、「天で今行われているワーシップを聞き、それに合わせなさい。」と常に言われています。それこそがワーシップの究極の秘訣ではないでしょうか。(終り)

 


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