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Walk With God Ministries

17 1月

ニューヨークの私たちの家の証   坂  達 也       2018年1月17日


ニューヨークの私たちの家の証

 

                 坂  達 也

 

 先週末に待ちに待った引越し荷物が着きました。私たちの新居には運送会社の人たちによって二日掛かりで、それぞれの部屋に荷物が運び込まれました。特に前より狭いスペースの私の書斎兼マスターベッドルームは足の置き場も無い程荷物が溢れ、その整理に追われて数日間は何も手に着かず、ついに、皆様への毎週のメッセージを日本の火曜日までにお届けすることができませんでした。

 

 問題の一つは、ばらばらに分解されて来た本棚を元通りに組み立てるのに丸三日も掛ったことです。この本箱は北欧の Ikea 製で、釘類は一切使わず実に巧妙に設計された do it yourself の製品です。分かり易い説明書がついており、器用な人なら恐らく3時間以内に完成しているでしょう。ところが私は前に一度経験しているからという安易で増長した心構えがわざわいして、忠実に説明書通りにやったつもりが二三の手抜きをしていることが判明したのです。それは二日目の夜になって、見るに見かねた家内が説明書と照らし合わせた結果、私が大きな間違いをしていたことを発見しました。そこで翌日もう一度最初から見直し、一、二カ所にねじ釘を使いましたが、やっと何とか使い物になる程度に出来上がりました。

 実はここに至る迄、私は何度も主におうかがいし、主が正しいやり方を示して下さることを期待したのですが、主は何もおっしゃらないのです。それが分かるのは、そのお願いをした直ぐ後にまた別の間違いを起こしているからです。そこで改めて主を見上げてみますと、確かに主は私の側におられ、微笑みをもって私を優しく眺めておられるのが分かるのです。私はなぜ主は何もされずに見ておられるのですかと聞きましたが、主は無言でした。しかし私には平安がありました。

 

 そうしている間に私は、年の所為で自分の頭がこれ程迄に著しく融通が利かなくなり、若い頃と比べれば比べものにならない程「激しい能力低下」に陥っていることに嘆くと言うより、むしろ大きな驚きを覚えました。そして実際に何もなさらない主を見上げて、その「何もされない」ことこそが主の御心であり、私のためであることが分かり始めました。

 

 それで主が私に分からせて下さったことは、私が自分の「年相応に衰えていく」ことを主は許しておられる。それも霊的成熟に貢献するためのプロセスであるということでした。確かに人間は年とともに生まれ持った能力は衰えて行きます。しかし、そのようにすべてが衰えるように造られたのは主です。

 しかしながら私たちはクリスチャンとして往々に、万能な主は私たちを若返らせて下さったり、スーパー能力とか奇跡を起こして下さると期待しがちです。確かに主はすべてが可能なお方で、時に必要な際にそのような奇跡を起こさせて下さいます。しかし年を取って衰える過程での私たちには、若い時にはできない、より重要な「霊的成熟の完成」に向かっての「老成した者の若い世代への配慮・注意深さ」とか「円熟さとその知恵」を学ばせるという、より重要な成熟のご計画を持っておられることがよく分かりました。それは人間に「父の愛」を真に学ばせ、私たちが神の家族となる大きな目的があるからであると思います。

 

 従って今回神が「私たちの書籍を入れる本棚」に3日も掛けさせたことは、実際に私に対して「衰えた自分」こそが現実の姿であり、この際それを先ずリアリティーとして甘受すべきであること、その上でそこから必要な知恵をへりくだって学び、周りの人々(特に家族)への対応と見方を年老いた者にふさわしい「老いては子に従いつつ、教えるべきことを行動で示して行く」ことこそ「霊的成熟」に最も必要な「心構え」であることを学ばせるのが主のご計画であったと悟った次第です。

 就いては次のみ言葉を今回学ぶことができました。それは2コリント4:15−17「すべてのことはあなたがたのためであり、それは、恵みがますます多くの人々に及んで、感謝が満ちあふれ、神の栄光が現れるようになるためです。ですから私たちは勇気を失いません。たとい私たちの外なる人は衰えても、内なる人は日々新たにされています。今の時の軽い患難は私たちの内に働いて、計り知れない、重い永遠の栄光をもたらすからです。」

 

 ところで私たち夫婦は、当初、こちらでは「息子家族の近くで別々の家に住む」予定でした。そして私たちがこちらに到着後そのようなコープ Co-OP/コンドを探し始めると、直ちに息子夫婦の買った家の近くに、とてもよい物件が見つかったのです。しかし主のご計画は違っておりました。主は私たちが今回カリフォルニアの家を売った入金を含む財産のほぼ全額を息子夫婦の家のホームローンに投入し、その息子夫婦の家を全額借金なしで買い取らせたばかりでなく、余剰のお金をその古い家の改良資金として息子夫婦に持たせて下さったのです。

 

 そこで、実はこのことで主は私たちへの約束を守って下さったことをお分ちします。その約束とは、私たちがまだハワイに住んでいた頃ですが、私たちは「これからの一生を借金なしで、すべての必要を主にお委ねする」ことを願い出ました。主に全面的に委ねた者が他人から借金して買い物をする訳にはゆきません。その申し出を主は受け入れて下さり、それ以来私たちは家も車も、すべてローン無し、クレジットカードも毎月全額返済できる経済的祝福を主からいただいており、すべてを主に頼る生活を続けて参りました。

 従って将来ではなく今から息子夫婦の家族と同居する形を取らせ、その家も無借金で手に入るようにさせて下さったのです。気が付いてみますと、私たちへの約束を、主は今回も忠実に果たされ守られる結果となったことに対し、私たちは唯唯主を畏れ敬い、「全面的に主に頼ることのすばらしさと尊さ」を証しする機会を与えられて、主への信仰が益々深まったのでした。

 

 加えて申し上げれば、勿論私たち老夫婦は、将来いずれ、二人の孫もいる息子夫婦の世話になることが密かな願いでありましたので、主は私たち家族三代がこの地で共に住むことを喜んでおられることを確信し、それを実現させるのは家内と共に、老いた私自身が、息子家族に対しクリスチャンとしての愛を示す大きな責任があることを今回の本箱組み立てを通してのメッセージであるとを改めて感じた次第です。

 どうぞ私たちの家族のー上に息子夫婦の家族、下の階(半地下)に私たち夫婦が住むーというこれからの生活が、名実共に子どもたちがそれを喜び望むようになり、主の御名をたたえるクリスチャンの名に恥じない神の家族となれますようお祈りください。よろしくお願い申し上げます。(終り)

 


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