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Walk With God Ministries

10 5月

涙の部屋       ジェニファー・ミラー            2015年5月10日


涙の部屋

 

ジェニファー・ミラー

 

 

ある日私が祈っている時、主が私の霊の目を開いてくださいました。私は自分が天に引き上げられるのを見ました。私の目の前には非常に大きな家が立っていて、中には沢山の部屋があり、それが「天の父の家」であることがすぐ分かりました。御父の愛が私を家の中へと引寄せるのを感じたので、私は全速力で走って行き家の中に入りました。すると主ご自身が一つ一つ沢山の部屋を案内してくださいましたが、どの部屋も深い霊的意味で満ちていました。

 

主は家中で一番美しい部屋へと私を招き入れてくださいました。そこは「主との親密な交わりの部屋 the Intimacy Room」でした。それはすばらしく美しく豪華な部屋でした。そこに入たとき、私は圧倒的な愛に包まれ、ずっとそこにいたいと思いました。私は他のクリスチャンたちが家の中のいろいろな部屋にいるのを霊で聞くことができました。ある人たちは図書室で勉強をしていました。又ある人たちは霊的ぶどう酒の蔵で酔っていました。「親密の部屋が家中で一番美しいのに、なぜみんなここに来ないのだろうか」と私は少しばかり驚きました。

 

私はこの部屋の美しさを称賛しつつ眺めていましたが、ベッドの横の床に小さな木の上げ蓋があるのに気付きました。私にはそれは大層奇妙に思えました。というのは上げ蓋は少しも美しくなく、部屋には全くそぐわなかったからです。何故この部屋にあるのですかと主にお訊ねすると、「それはこの家の他の部屋に通じている入口です。」と主は教えてくださいました。私はどうして主はそれをこの部屋の中で最も美しいベッドのすぐ傍に置かれたのかをお尋ねしました。主は「わたしはほとんどの時を下の部屋で過ごすのでここに置いたのです。」と言われました。私は好奇心からそこにはどんな部屋があるのですかと訊ねました。主はそこは「涙を流して泣く部屋 the Weeping Room」だと教えてくださいました。

決して入ってみたいと思うような名前の部屋ではありませんでしたが、私の心は「もしそこで主が最も多くの時を過ごされる場所であるならば、私もそこに行きたい」と叫んでいました。「主と御一緒にそこに行けますか?」とお聞きしました。主は「その部屋に下りて行く人はほとんどありません。それはこの部屋のように豪華ではなく、孤独で、心地よくもないのです。それに部屋の入口のドアはとても小さいので、あなたは身を非常に低くかがめねば入れません。」と言われました。私は「どんな所でもかまいません。私はただ本当に主がおられる所にいたいのです。」と言いました。

 

それで私たちは小さな上げ蓋を開けてゆっくり暗い階段を下りて行き、とても小さな部屋の前に出ました。その入口のドアはとても小さかったので、私は膝を床につけて入らねばなりませんでした。部屋の中はとても簡素で、小さな木の椅子が一つあるだけでした。一方の壁に小さな窓がついていました。主はその椅子に腰掛けて、顔を窓の方に向けられました。私はこの部屋が涙の部屋と呼ばれる理由をすぐに悟りました。

その窓からは地上が見えて、人びとからの叫び声が一つ残らず聞こえるのです。全世界のすべての不正行為が見えます。すべての飢えた子どもが神に叫ぶ声、強姦されたすべての女たちの声、拒絶されたすべての者のうめき声、すべての祈りと叫びをその場所で同時に聞くことができるのです。主はその椅子に腰掛けて、すべてを見つめ、すべてを聞かれました。

すぐに私はとりなしの思いに圧倒されて泣き始めました。何時間も泣いていました。私は苦しんでいる人たちのために泣きました。しかしそれにも増して、ここで時を過ごされることを選びとっておられる王なるお方の麗しさに打ちのめされました。すべての叫びに心を留められ、憐れみに満ちておられる主、、、。

私はそこに座って主と共に泣いていると、次第に主の御こころをうちに感じ始め、私が持っていた自分本位なすべての願望が消え去って行きました。

主と共にその部屋にいた時、部屋にもう一つ別のドアがあることに私は気付きました。そのドアの向こうには何があるのですかと主に訊ねると、そこには「戦略の部屋 the Strategy Room」があると教えてくださいました。一瞬にして霊のうちに私はその部屋には終末のリバイバルのための神の戦略があることを悟りました。そのドアは閉まっていましたが、そこに知恵と啓示があることが私にはわかりました。

地上に御国を来らすための天の戦略の青写真がその部屋に広げられているのです。それはまるですべての人が捜し求めている秘密の部屋のようでした。皆が天からの戦略を求めています。私はすぐにその部屋の中に入っていいですかと訊ねましたが、主は厳かに、まだ私はそのドアから入ることはできないと言われました。私はもっと涙の部屋で時を過ごさねばならないのだ、と悟りました。神が貧しい人や傷ついた人に対して抱いておられる思いがわかり始め、自分の肉なる性質が取り去られていくならば、私はそのドアを通れるほどに十分小さくなれることを理解しました。

その時、私にすべてが明らかになりました。神の戦略を手に入れるための道はこれしかないのです。神との親密な関係を持ったとき、神は私たちをもっと深いレベルへと招いてくださいます。主は私たちを涙の部屋へと招き、そこで、私たちは主が見るものを見、主が感じられることを感じることを選ぶのです。そして私たちがそこで時を過ごし神の御心を知るときに、私たちの肉なるものはそぎ落とされて、戦略の部屋に入るドアを通れるほどに小さくなれるのです。

 

私はこの霊的経験を2年前にしたのですが、今神は教会の多くの者たちを親密の部屋から涙の部屋へと移しておられると思います。ですからやがて彼らは戦略の部屋へと導かれるでしょう。実際に、私たちは親密の部屋を去る必要はありません。あなたは親密さの深いレベルを見出すのです。多くの者はすでに涙の部屋へと自分を捧げ、傷ついた者への神の御心を熱心に求めました。彼らは今戦略の部屋へと招かれています。

私は一年ほど前にもう一度霊的経験をしました。大きな声が「時は今だ!」と言うのが聞こえ、私は霊のうちに戦略の部屋のドアが大きく開かれるのを見ました。地球規模の魂の大収穫を解き放ち、勝利する聖徒たちを通して地上に御国を打ち立てるための戦略へと神は今、私たちを招いておられます。私たちが戦略の部屋に入るとき、私たちは涙の部屋で見たり感じたことに心迫られ突き動かされると信じます。

ある人たちが私たちより先にすでに戦略の部屋に入ったことがあることを私は感じます。残念なことに、そのほとんどの人はそれが何のための戦略であったのかを直ぐに忘れてしまい、自分の王国を建てるためにその戦略を用いてしまいました。(ハガイ1:3−7参照)神は今、「自分の王国を建て上げる」という考えを拒絶するクリスチャンの一群を起こしておられます。この一群の者たちの心には、情熱と憐れみという焼き印がくっきりと押されています。彼らこそ神が戦略の部屋へと招いておられる者たちです。(終)


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