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17 6月

クリスチャンが主の身丈にまで成熟すると何が起こるのか―グラハム・クック師のメッセージより 坂 達也   2014年6月17日


クリスチャンが主の身丈にまで成熟すると何が起こるのか―グラハム・クック師のメッセージより
坂 達也
私たち夫婦は、この春4月初旬から5月末までの約二ヶ月間、日本の各地を訪れる機会を得ました。今回はほぼ2年半ぶりの訪問でしたが、この間に日本の霊的空気がすっかり変わったことを感じて大変励まされました。いよいよリバイバルが起ろうとしていることをひしひしと感じたのです。
さてこの二ヶ月の間に25箇所でメッセージを語らせていただきましたが、それを通して私が強調したことの一つは、「世の終わりの時代は刈入れ、ハーベストの時であり、良いものも悪いものもすべてが完全な成熟度に達する時である」という聖書的な事実です。良いものの収穫とは、聖書に書かれているすべての約束と聖霊の超自然の働きが最高の形で成就し、それが終末の大リバイバルという形で現れるということです。又一方、それは悪魔の「惑わし」の働きも究極の頂点に達する時でもあります。
従って、終末のリバイバルが目指す最終的な目標は、主イエス・キリストの「大宣教命令」(マタイ28:19等)を成就することそのものであると思います。すなわち、教会は救われた者が皆、真の「キリストの弟子」になるように育て上げるべき時が来ているということです。
「キリストの弟子」とは、どのような人のことを言うのでしょうか。それはエペソ4:13,15に書かれています。「ついに、私たちがみな、信仰の一致と神の御子に関する知識の一致とに達し、完全におとなになって、キリストの満ち満ちた身たけにまで達する・・・あらゆる点において成長し、かしらなるキリストに達する」ことが一つとして欠けることなく100%成就することであり、それが真のキリストの弟子であると信じます。
こうした強い思いを持って私たちはアメリカに帰国したのですが、私はその後直ぐにでも日本旅行の報告と感想を書こうとしたのですが、主は別なことをするように私を導かれました。それは私のコンピューターにこの数年間寝ていたグラハム・クック師のメッセージを今訳して出しなさいと言うものでした。主のタイミングが来たと言うことなのでありましょう。そこで早速、そのメッセージを下記の通りに御紹介させていただきます。誠にタイムリーであると信じます。
「成熟した大人」(ギリシャ語でHuios)になること
グラハム・クック (Growing up in Godセミナーより抜粋)
クリスチャンが霊的に子供から大人に成長する過程で、最終的に成熟しきった大人になることとは、その人の内なる人が神のご性質のようになることです。真に神のように誠実で清い性質と品性を持つようになり、それが常に外に表われる言動をする「成熟した大人」(ギリシャ語でHuios)にならねばならないのです。
しかし、そのような霊的成長過程であなたは、聖霊と真っ向から対立することになることを覚悟しなければなりません。なぜなら、あなたの内におられる聖霊の役目は、あなたの生涯を通して「あなたをイエス・キリストに真に似た者にすること」であるからです。
就いては、それに関して皆さんが知らねばならないことがあります。それは、神はクリスチャンである私たちが、この世に生きている間に真に「キリストに似た者」になることしか望んでおらず、それ以下で終わるとは全く考えておられないと言うことです。
そうであれば、私たちはこの世に生きている間にキリストに似た者に本当にならなければならないのです。このことは、単なる概念とかシンボル、あるいは象徴的な話として受け取らないで下さい。主は、実際にリアルにそうなることを意味しておられるからです。
それは実際生活で私たちが人と話たり、人のことを考えたりする時に、キリストに真に似た者として相手に対応できるということです。
しかも、それは相手の人たちがとる言動とは全く無関係です。彼らの言動によって影響を受けそれに反応するのでなく、ひとえに「あなたはその人とどう対応するのか」というあなただけの問題であるのです。あなたという人がどのように外に表れるかだけがポイントです。相手の出方次第(彼はこう言ったとか、こんなことをしたとか)で相手を責める―と言うようなことでは全くありません。なぜなら、御国では人を責めることなど存在しないからです。キリストにある私たちにはもはや恥も罪定めはないのです。又自分が肉的になってしまったことを相手のせいにしたり、状況のせいにしたりすることもあってはなりません。
「どれだけ神から祝福を受けるか」を決めるのはあなた自身でありあなたにかかっています。あなたは「祝福された者」であるはずですが、それはあなた次第であり、あなただけが祝福を受けるための責任者なのです。あなたは主の約束をいただいている人です。しかしその約束を実際に受け取るかどうかはあなた自身の責任です。しかも、それはあなたがどんなに落ち込んでいたり、迫害にあっていたりする最中でも同じなのです。事実、迫害とか苦しみの中を通っていたり困難な目に会っている時でも、神から大きな祝福を受けている時と同じように、すべてを有益なものとする道があるのです。
あなたの内にはどんなことがあっても止めることの出来ない「いのち」が内在しています。勿論、あなたの意志でそれを止めるなら別です。それはあなたが決めることであって他の誰の責任でもありません。
神があなたに与えたいと願っている祝福を、あなたが受け取るかどうかの責任は、あなた自身にあることを学ばねばなりません。神が常に与えたいと願っている祝福に自分から積極的に近づき、主の御計画に沿って日常の生活の中でその祝福を受け取り、その祝福を人々のために用い始めるのです。そうすることによって、あなた自身がキリストのイメージ、似姿となり、それを人々に表すことが出来るようになります。それが霊的に成熟することの最終的段階であり、完全に成熟した神の息子Huiosになることの意味です。
あなたはもはや自分だけが祝福されることはできなくなります。あなたの周りのひとたちは全部あなたから祝福を与えられる可能性が充分にあるのです。あなたが現れると、誰であっても、あなたから祝福を受けることから身を守ることは出来ません。
聖書には「心を尽くし、思いを尽くし・・・あなたの主である神を愛せよ。・・・あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。」とあります。ここであなたの隣人と言うのは、それがいつであっても、どこであっても、たまたまあなたの傍に立っている人、坐っている人のことです。飛行機の中でも、喫茶店の中でも、仕事の中でも、銀行の中でもです。全くの他人だとしてもあなたを通して神の祝福を受けることから身を守ることができる人はいないのです。主と共に歩くあなたは、他人の人生を変える力を常に持っているのです。あなたがその力をつねに持ち運んでいるからです。それは他の人がすることとか言うこととは無関係です。あなた自身が、一人だけで、あなたの住むコミュニティー全体を変える力を持っているからです。それはあなた次第です。そのような人になることを選ぶかどうかというあなたの意志一つです。
それはあなたがキリストの大使として、どのように人の前、あるいはコミュニティーの前に現れたいかによるのです。人がどれほど酷いか、状況がどれほど悪いとかには全く問題ではありません。あなたが一人の完全に成熟しきったHuiosとしてその町に現れると、その社会を変えてしまうほどの力を持っています。使徒行伝には「世界中を騒がせてきた者たちが、ここにもはいり込んでいます。」とあります。あなたがやったことが、その後の30年間も「信じられないことが起こった話」として語り草になるのです。あなたはそのような人になる可能性を持ち、あなたがそこを通って行くだけでそのコミニティーを変える人になれるのです。
私は30年前にロンドン近郷のある会社で働いたことがあります。その会社は色々な企業の会社にアプローチして、その会社によい社員を斡旋したり、各種の社員教育のトレーニングを提供する会社でしたが、私が入社した時は全部で24人の社員がいて、私はその24番目の何もよく分からない新米社員でした。
その24人の中には人材をリクルートすることが専門のアドバイザーとか社員教育のエキスパートが多くいました。それとセールス部門があり、そこでは、大中の企業にアプローチして、その会社の業績を上げるためにより良い社員を斡旋したり、社員教育をするプランを作成します。多くの場合全く知らない会社に電話をしてアプローチし、年間契約の提案書を作り、その仕事に対する入札価格を持って交渉に行きます。私はたまたまそのセールス部門に配属されました。
入社後6ヶ月ほどしたある日、突然私の前に社長のジョージが現れ、私にある会社に提出するプレゼンテーションをしてもらいたいと言うのです。私は面食らって、他にもっとよい人がいるでしょうと2,3のセールス担当者の名を上げたのですが、皆都合が悪く、結局私しかいないと言うことで無理やり私がその仕事を担当することになりました。社長はこれはある大会社への提案でこの入札が取れれば大いに助かる、二日後に一緒にその会社に行くからそれまでよく読んで準備をするようにと言われ、大きな提案書類を手渡されました。
二日後に私はジョージと彼のベントレー(高級車)に乗って出掛けました。そして、ロンドンにあるその大会社のビルの最上階の40階にある豪華な社長室に通されました。そこには社長と担当者たちが待っており、こちら側はジョージと私だけ、私はそれまでに経験したことがない程に緊張し、堅くなってプレゼンテーションを行いました。その最後の段階になって相手の社長がジョージに「提案の内要はとてもよかったが、つまるところ一体値段は幾らなんだね。」と聞くのです。それに対して私は提案書の最後に記入されている入札価格を言うだけでよかったのですが、その時、主が突然私に声を掛けられ「グレイ(グラハムの愛称)、わたしを信じますか?」と言われたのです。それを聞いて私は「オーNo! 主よ、今だけは黙っていていただきたかったのですが・・・後にしていただければ・・・」と心の中でうなりました。しかし主は「わたしを信じるか?」と又聞かれます。そこでやむなく私は「今だけは信じたくはないのですが、・・・ハイ信じます。」と消え入るような小声で答えました。すると主は「その値段を倍にしなさい。」と言われたのです。この間に3-4秒掛かりましたが、相手の社長は再び値段を催促して来ました。そこでジョージが私の方を見るので、思い切って私は倍の値段を言いました。それを聞いたジョージは慌てふためき、心の中で「あの男は精神異常のけがあるので、今の値段はどうぞ聞かなかったことにして下さい・・・」と叫んでいるのが私にはよく分かりました。狼狽したジョージは一瞬椅子から落ちそうになりましたが、相手の社長は担当者とその値段について話し合っていたので、ジョージの様子には気付いた様子もなく、にこにこ顔で「この値段は悪くない、契約しよう」と言ったのでした。
そこで話は決まりました。昼食後に無事契約が取り交わされ、ジョージと私は社長室を後にしました。エレベーターの中で二人きりになると、全く気まずい空気になり、ジョージが「一体何が起こってあの値段を言ったのか」と聞きました。そこで私は自分がクリスチャンであること、「倍にしなさい」と言う神の声を聞いたのでそうしたことを告白しました。社長は「神の声を聞いたというだけで、事もあろうに私の会社がこの大会社との大事な契約を反故にしかねないことを分かって言ったのか。」と、もっと気まずい空気となりました。それから車に乗り帰路につきましたが、この間全くの沈黙が続きました。降りる前に私はジョージに「私は首ですか」と聞くと社長はしばらくした後に「分からん。」と答えました。
三日後に昼食を済ませて自分の席にもどると、机の上に分厚い書類が置いてありました。それは新しい別なプレゼンテーション用の書類でした。表紙に走り書きのメモが付いていて、最後のページを見よ」とあったので、その指示に従って私は最後のページを開くと、値段を入れる欄が空白になっていました。(笑い)そこにもう一つのメモが張り付けてあり、それに「あなたの大きな上司に聞いて書き入れよ」と書いてありました。(会場爆笑)そこで私は祈って主に値段を聞きました。その値段と会社の人たちが通常計算する価格とを比べると、主からの値段は会社の出した数字の1.7倍ほどでした。そこでジョージは主からの値段を採用して私にプレゼンテーションをさせたのですが、その仕事も決まりました。その後も二つの仕事を同じ方法で、いずれも高い主の値段で仕事を取ることに成功しました。
そして私は会社での地位が24番目から2番目に昇格され、ジョージは新に私にビジネス・デベロッピング・マネジャーと言う肩書きをくれた上で、大きな個室と私自身の秘書を付けてくれたのです。しかし私はそんな肩書きと責任をもらっても自分だけではどうしてよいのか全く分からず、ジョージに元の地位に格下げして欲しいと頼みました。するとジョージは私の机の上にある電話を指差し、電話帳から適当な会社を選んで電話してその会社から機会を与えてもらい、仕事を取るためのプレゼンテーションをすればよいと助言してくれました。
そして、彼は「私はあなたを格上げして雇っているのではない。あなたがよく知っている『例の人』を雇おうとしているのだ。」と言ったのです。(笑い)
その後大分経ってから、Huiosになるとそのようなことが起るということに私は気が付きました。それはあなたではなく、あなたが一緒に旅をしているお方がそうであるからです。ダニエルが神に属した人であることは誰でも知っています。ヨセフが神の人であることもそうです。
そこで私は主に祈ったのです。月に一度だけ、一つの会社に電話をし、その会社とだけ契約を結ぶという祈りでした。そして後の時間の全部を、自分の預言者訓練学校で教える教材を書くことに費やしました。(笑い)
或る時私は、ロンドンで最も名高い会社のCEOの電話番号を主から教えてもらいました。しかし、そのCEOにはドラゴン(竜)というあだ名で名高い強力な支配力を持つ秘書が付いていて、すべての電話はその秘書を通さずには絶対にCEOには届かないのです。特に見知らぬ人からの電話はまず取り次がれません。主は私にそのCEOに次の火曜日の午後2時23分に電話をしなさいと言われました。その通りに電話をすると、その1分前にその秘書がトイレに立ち、その時たまたまCEOが秘書のデスクの前を通るように主がされたので、彼が私からの電話を取り、私は難なくそのCEOとアポイントが取れました。それを知った秘書は私がCEOに会うために現れると、本当に憎憎しそうな顔で私を睨みつけ、殺し屋を雇って私を殺してやるとまで息巻いたそうです。言うまでもありませんが、その会社と私はよい契約を結ぶことが出来ました。
さて、その頃ジョージは私に、会社にいるすべてのセールスマンを私がトレーニングし、私のやり方で「大きな上司」からの声を聞いて仕事が取れるようにして欲しいと言いました。私はその年にはセールスマン・オフ・ザ・イヤーになっていました。
私がその会社を辞める日に、ジョージは泣き出しました。私は彼にこれからは「私の大きな上司」の仕事にフルタイムで働くことにしたと伝えたのです。私はこの会社を彼らが経験した事がないレベルにまで収益率を上げました。私自身もどのようにしてそこまで成し遂げたかは想像もつきませんでした。あなたがHuiosの域に到達するとそうなるのです。
と言うのは、神は法外としか思えない程あなたと共にいたい方であり、すばらしいということがどんなことなのかをあなたに証明して見せたくてしょうがない方です。又、あなたは神があなたに与えたいと願っておられる油注ぎを決して低く見積もってはなりません。
あなたが完全に成熟した時、あなたは試合をひっぐり返すことの出来るgame changerとなり、あなたが王であり、英雄であり、チャンピオンとなれるのです。誰もあなたに反抗しなくなり、どんな強い反対者に対してもあなたは抜きん出て相手を打ち倒します。あなたが人生から学ぶことは、どのような状況の中からでも浮かび上がり、あなたが占めるべき正しい地位に着けるのです。なぜなら、卓越した神の性質があなたの上に現れるからです。それがHuiosです。あなたはどんな状態からでも栄えることが出来ます。どのような対抗者にもうまく処することが出来るのです。その結果としてあなたが、あなたの隣り近所を、地域を、町を、そしてハドソン•テイラーがしたように一つの国をも変えることが出来るのです。
クリスチャンが宗教的な制度の中に押し込められると、今お話しているようなことは理解できなくなります。宗教的制度は優秀な戦士とかチャンピオンを生み出すようにはつくられていず、単に羊ばかりを育てようとします。そのような羊は人に頼って生きる人たちであり、毎週教会に来て楽しませてもらい、「十一献金をしたから今月の支払いは全部出来るはずだ」と考えて満足して帰ります。こうして教会という企業全体が次の週に向かって進むのです。しかし、あなたが御国の理解と御国の願望を持つコミュニティーに属するとたとえそのコミュニティーがどんなに小さくても関係ありません)そこから多くのチャンピオンと物事の流れを変えていくgame changerが生み出されます。なぜなら、一人の真のリーダはどんな大きな宗教団体よりもベターであるからです。イエスは「わたしを信じる者は、わたしよりもさらに大きな業をするようになる。それはわたしが父のもとに行くからです。」と言われました。主は、私たちが主よりもよくなることを望んでおられるのです。最もよいものが最後に残されているのです。(終)

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